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【2026年最新】国土交通省が定めるドローンの規制と教則の要点

ドローンを使う人が急速に広がる中、国土交通省による航空法の規制は、毎年のように改訂されています。


特に国家ライセンス制度の開始や、レベル3.5という新しい飛行区分の新設など、見逃せない変更が続いているため、以前の知識のままだと、意図せぬ法令違反を招く恐れがあります。


この記事では、最新の教則に基づき、現場で直面する規制の要点と、違反を未然に防ぐための具体的なルールを解説していきます。


ドローン規制と航空法の全体像を理解する



ドローンを安全・適法に運用するためには、航空法の全体像を把握する必要があります。


ここでは、運用の基礎となる定義と、令和の改正航空法で大きく変わった制度を整理していきます。


航空法が定める無人航空機の定義と重量ルール


航空法が定める無人航空機とは、構造上人が乗ることができないもので、遠隔操作や自動操縦によって飛行させられるものを指します。


また、重要な注意点として、重量のルールがあります。


かつては200g未満が規制対象外でしたが、現在は100g以上の機体すべてが無人航空機として規制の対象となります。


この重量には、機体本体の重さに加え、バッテリーの重さが含まれます。


100g以上の機体を屋外で飛行させる場合は、登録制度や飛行ルールの遵守が必須となり、これを怠ると航空法違反に問われますので、注意してください。


さらに、屋内での飛行は航空法の適用外となりますが、施設管理者の許可が別途必要になることを忘れないようにしましょう。


改正航空法で変わったカテゴリー別の飛行と新制度


近年の大きな変更点は、飛行のリスクに応じた、カテゴリー区分の導入です。


これにより、ライセンスの有無や機体認証の取得状況によって、手続きの要否が明確に切り分けられるようになりました。カテゴリー区分をまとめましたので、ご覧ください。



ここで注目したいのは、令和5年12月に新設されたレベル3.5飛行です。


これはカテゴリーII飛行の一種ですが、以下の条件を満たすことで、従来必須だった補助者の配置や看板の設置といった立入管理措置を、機体に取り付けられたカメラによる確認等で代替できるようになりました。※第三者が存在する可能性が低い場所での飛行に限る


  • 操縦ライセンスの保有

  • 不測の事態に備えた保険への加入

  • 機体に取り付けられたカメラの活用により、飛行経路直下への第三者の立入がないことを確認


これにより、補助者の確保が困難な山間部や物流現場での利便性が飛躍的に向上しています。


安全確保の基本理念となる国土交通省の教則の重要性


国土交通省が公表する、無人航空機の飛行の安全に関する教則は、運航の基本ルールをまとめた実務の土台です。


また、国家ライセンス試験の出題範囲でもあるので、すべての操縦士が読むべきものといえます。


教則には、気象の知識・機体の点検方法・万が一のトラブル時の対応まで、実務に直結する知識や安全行動が整理されています。


教則に書かれている内容をルールとして暗記するのではなく、なぜそのルールが必要なのかの背景を理解することが、現場での正しい判断力に繋がります。


知らなかったでは済まない!違反時の罰則と法的責任


航空法違反には、厳しいペナルティが科せられます。


これまでは罰金刑などのペナルティでしたが、最新の教則では行政処分の基準が明確に示されています。具体的には以下の点です。


  1. 刑事罰と罰則:無許可での特定空域の飛行や、機体登録をせずに飛行させた場合、1年以下の懲役、または50万円以下の罰金に処される可能性があります。また、飲酒時の操縦などはさらに重い罰則の対象となります。

  2. 技能証明(国家ライセンス)の行政処分:航空法違反や重大な過失があった場合、国土交通省は操縦士に対して以下の処分を下すことが明文化されました。

    • 技能証明の効力の取消し:最も重い処分であり、国家資格そのものを失います。

    • 技能証明の効力の停止:1年、6か月、3か月のいずれかの期間、操縦が禁止されます。

    • 文書警告または口頭注意:違反の程度に応じた行政指導が行われます。

  3. スケジュールの重要性:民間資格等による登録講習機関での講習・審査の省略措置が、令和7年12月18日をもって終了しています。


知らなかったという言い訳は、警察や航空局には通用しません。制度が厳格化される今だからこそ、正しい知識を身につけることが重要です。


飛行禁止区域の調べ方と国土交通省が定める空域ルール



ドローンを飛ばす際、最初に確認することは、そこが飛ばせる場所かどうかです。


国土交通省は、航空機の安全航行や人・物の安全を確保するため、特定の空域を飛行禁止としているので、空域ルールを正しく理解しましょう。


空港周辺や人口集中地区など特定空域の定義


航空法により、以下の空域を飛行させる場合は、あらかじめ国土交通大臣の許可を受ける必要があります。


  • 空港周辺の空域:航空機の離着陸に影響を及ぼす恐れがある空域。空港ごとに設定された進入表面などの外側までが含まれます。

  • 150m以上の空域:地表または水面から150m以上の高さの空域。航空機との衝突を避けるための規制です。

  • 人口集中地区(DID):総務省の国勢調査の結果に基づき、一定の人口密度がある地域。都市部の大半がこれに該当します。


これらの空域は、常に監視されており、無許可での飛行は厳禁です。


地理院地図とDIPS2.0で禁止エリアを正確に確認する


自分が飛ばしたい場所が規制対象かどうかを調べるには、公的なツールを活用するのが確実です。代表的なものは以下の2つです。


  1. 地理院地図:国土地理院が提供する地図上で、DID地区や空港周辺空域が色分けされて表示されます。境界線が複雑な場所では、必ず拡大して確認してください。

  2. DIPS 2.0:飛行許可申請等を行うシステムですが、マップ機能で飛行禁止区域を確認することも可能です。


民間企業が作ったアプリも便利ですが、最終判断は必ず公的データに基づいて行う習慣をつけると、法令を遵守できます。


重要施設周辺や自治体条例と警察庁が関与する規制


航空法以外にも、ドローンに関わる法律は存在します。例えば以下のものです。


  • 小型無人機等飛行禁止法:国会議事堂、皇居、原子力発電所などの重要施設周辺(約300m)などは、警察庁の管轄により飛行が禁止されています。

  • 自治体条例: 東京都立公園のように、自治体が独自に公園や観光地での飛行を禁止しているケースがあります。


航空法の許可があっても、これらの規制があるとドローンを飛ばすことはできません。こうした複雑な規則を理解し、知識として持つことも重要です。


緊急用務空域の設定と災害時の優先飛行に関するルール


災害発生時など、消防や警察の航空機が緊急活動を行う場合、国土交通省は「緊急用務空域」を設定します。


この空域が設定された場合、事前に包括許可を得ていたとしても、原則としてすべてのドローンの飛行が禁止されます。


また、最新の教則では、災害時の特例措置についても、以下の通り整理されています。


  • 捜索・救助時の特例:国、地方公共団体、またはこれらから委託を受けた者が、捜索や救助、災害応急対策のために飛行させる場合は、航空法の一部(空域の許可、飛行方法の承認等)が適用除外となります。

  • 民間操縦士の注意点:上記の特例はあくまで公的な任務に限定されます。一般の空撮や点検を目的とした飛行は特例の対象外であり、緊急用務空域が設定された際は即座に飛行を中止し、有人機の活動を妨げないことが絶対条件です。


SNS、DIPSの通知、国土交通省のHPなどで最新情報を常にチェックし、緊急車両やヘリコプターの活動を最優先させることはマナーです。


機体登録制度の必須知識とリモートID免除の条件



どれだけ操縦がうまく、ルールに精通していても、機体が正しく登録されていなければ空を飛ぶことはできません。


令和4年から開始された登録制度は、ドローンのナンバープレート制度ともいえます。ここでは機体登録制度について解説していきます。


100g以上の機体に義務付けられた屋外飛行の登録手続き

リモートIDの仕組みと事前登録による免除措置の真実

現在、重量100g以上のすべてのドローンは、国土交通省への登録が義務付けられています。


未登録の機体を屋外で飛行させた場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる可能性があるため、中古機を購入した際や自作機の場合も必ず手続きが必要です。


登録の有効期間は3年間で、更新手続きを忘れると登録記号が無効化されるので、注意してください。


本人確認からDIPS申請までのスムーズなフロー


登録手続きは、オンラインシステム「DIPS 2.0」から行います。実際の手順は以下の通りです。



マイナンバーカードを利用したオンライン申請は、手数料が安く、短期間で完了するためおすすめです。


リモートIDの仕組みと事前登録による免除措置


登録制度とセットで導入されたのがリモートIDです。


これは機体から識別情報を電波で発信する仕組みですが、一部で免除されるケースがあります。


  • 免除されるケース:令和4年6月19日までの事前登録期間に登録を完了した機体は、その登録が有効な間、リモートIDの搭載が免除されます。

  • 現在の状況:これから新しく機体を購入・登録する場合は、原則としてリモートID機能が内蔵されているか、外付けの機器を搭載しなければなりません。


事前登録機だから登録がずっと免除される、と誤解されがちですが、登録を失効させたり、機体を買い替えたりした場合には免除されないため、現在の制度を正しく理解しておく必要があります。


登録記号の表示義務と譲渡・廃棄時の抹消手続き


登録が完了すると「JU」から始まる登録記号が発行されます。


この登録記号を、機体にマジックやシールなどで鮮明に表示する必要があります。


表示場所や文字の大きさ(25kg未満の機体なら3mm以上など)にも細かなルールがあるので、注意してください。


また、機体を他人に譲渡する場合や廃棄する場合には、必ずDIPS上で抹消登録または移転登録の手続きを行いましょう。


これを怠ると、手元にない機体でトラブルが起きた際に、元の所有者が責任を問われる可能性があります。


飛行許可・承認が必要なケースとカテゴリー別の申請判断



ドローンを業務で活用する際、飛行の申請が必要か、の判断が難しいことがあります。


令和4年の制度改正により、国家ライセンスの有無と機体認証の組み合わせによって、申請が免除される範囲が明確化されました。ここでは、ケース別に申請の要否を整理します。


空港周辺や高度150m以上の空域


航空法第132条で定められた特定空域を飛行させる場合は、原則として国土交通大臣の許可が必要です。例えば以下のようなケースです。


  • 150m以上の高度:航空機の航路を脅かすため、非常に厳格に管理されます。

  • 空港周辺:進入表面や転移表面など、空港ごとに細かく設定されています。


これらはカテゴリーIIA飛行にあたりますので、国家資格を保有していても、飛行ごとに個別の許可申請が必要です。


夜間や目視外など飛行方法によって必要な承認


空域に問題がなくても、特定の飛行方法を用いる場合は国土交通大臣の承認を得る必要があります。以下のような飛行が該当します。


  • 夜間飛行:日没から日出までの飛行。機体の向きを視認できる灯火や、離着陸場所の照明が必要です。

  • 目視外飛行:補助者なしでの目視外飛行は、高度なリスク管理が求められます。

  • 人または物件から30m未満:操縦士、関係者及び関係する物件を除いた第三者及び第三者が所有する物件や車両との距離を保つ義務があります。


これらはカテゴリーIIBに該当し、二等以上のライセンス保持者が、認証を受けた機体で所定のルールを守る場合に限り、飛行ごとの申請を省略できます。


またレベル3.5飛行において、以下の条件を満たすことで、補助者の配置や看板の設置といった従来の立入管理措置を簡略化できる仕組みもあります。


  • 無人航空機操縦士技能証明の保有

  • 第三者賠償責任保険への加入

  • 機体に取り付けられたカメラによる安全確認


レベル4飛行と機体認証・国家資格の関係


レベル4飛行は、都市部などの有人地帯において、目視外で補助者を置かずに飛ばす高度な運用です。この飛行をするには、以下の3つが必須条件となります。


  1. 一等無人航空機操縦士:第三者上空を飛ばせる唯一の資格。

  2. 第一種機体認証:極めて高い安全性が証明された機体。

  3. カテゴリーIIIの個別許可:運航の都度、厳格な審査を経て得られる許可。


特に国家資格である一等資格は、第三者の真上を補助者なしで飛ばすための、国が認めた信頼の証ともいえます。


万が一、空中で機体にトラブルが起きても、瞬時に機体を制御したり、安全な場所へ誘導したりする高度な判断力が求められるからです。


イベント上空や物件投下など事故リスクが高い運用のポイント


多数の人が集まるイベント上空、危険物の輸送、物件の投下は、事故時の被害が大きいため、注意が必要です。


例えば、イベント上空では機体の墜落による観客への直撃、物件投下では投下物の落下予測の誤りや、風の影響による地上物への衝突といった事故が想定されます。


そのため、対策として以下のような安全確保措置が義務付けられています。


  • イベント上空:万全を期した機体の整備に加え、プロペラガードの装着や、万が一の際に観客の上に落ちないよう飛行禁止区域を設けること。

  • 物件投下・危険物輸送:投下時や輸送中の衝撃で機体のバランスが崩れないための検証や、周囲に人がいないことを確認する補助者の適切な配置。


これらはカテゴリーIIAに分類され、国家資格を持っていても包括申請の対象外となるケースが多く、場所を特定した個別申請が求められます。


DIPSオンライン申請の実務と審査に通る書類作成のコツ



飛行許可・承認を得るための手続きは、オンラインシステムDIPS 2.0で行います。


入力内容に不備があれば差し戻しとなるため、申請時の注意点を知っておくことは大切です。


包括申請と個別申請。業務を想定した最適な使い分け


申請方法には、大きく分けて2つの種類があります。


  • 包括申請:日本全国や1年間といった単位で申請する方法。DID地区での空撮やインフラ点検など、日常的な業務に不可欠です。

  • 個別申請:特定の日時・場所を指定して申請する方法。イベント上空や150m以上の飛行など、リスクの高い飛行で必須となります。


業務効率を上げるためには、包括申請でカバーできる範囲を最大限活用し、特殊な案件のみ個別申請を行うという使い分けが良いでしょう。


航空局標準マニュアルの活用と独自マニュアルの注意点


申請時には飛行マニュアルを添付する必要がありますが、多くの操縦士は、航空局標準マニュアルを選択します。


航空局標準マニュアルとは、国土交通省があらかじめ作成した、安全を確保するための運用ルール集のことです。


これを使用することで、自分で一からマニュアルを作る手間を省き、申請をスムーズに進めることができます。


以前は「風速5m/s以上での飛行禁止」や「地上及び水上の人、または物件との間に30m以上の距離を保てない場合の離着陸禁止」などの制約がありましたが、現行の標準マニュアルでは上記内容は改訂されていますので、標準マニュアルでも十分対応可能です。


しかし、業務よっては独自マニュアルを作成した方がよい場合もあると思いますので、その場合は制約を緩めるだけでなく、リスクに対してどう安全を担保するか、という代替案をセットで示すことが大切です。


手続きが簡略化!添付写真の廃止と飛行計画作成のコツ


以前のDIPS申請では、機体の写真やプロポの写真を細かく添付する必要がありましたが、令和7年3月の改定により、現在は機体写真の添付は原則不要となりました。


その分、重要度が増しているのが飛行計画の記述です。


いつ、誰が、どこで、どの機体を使って飛ばすのかなどの詳細が必要です。


特にカテゴリーIIAなどの個別申請では、周囲への安全確保策をいかに具体的に説明できるかが、審査をスムーズに通すポイントとなります。


飛行前後の義務:飛行の通報・日誌の記録と事故報告


許可を得ることができたとしても、飛行の前後や当日には別の義務が発生します。


  1. 飛行計画の通報:無人航空機を飛行させる前にあらかじめ、DIPS 2.0で他の無人航空機の飛行計画や飛行禁止空域等の確認を行うとともに、自らの飛行計画を通報する必要があります。他の無人航空機との衝突を未然に防止するための義務です。

  2. 飛行日誌の記録:特定飛行を行った場合は、飛行記録、日常点検記録、点検整備記録を遅滞なく飛行日誌に記載する義務があります。特定飛行に該当しない場合でも、安全管理の観点から記録することが推奨されています。

  3. 事故報告:万が一、人の負傷や物件の損壊が発生した場合は、直ちに飛行を中止し、負傷者の救護を行った上で、国土交通大臣へ速やかに報告しなければなりません。


これらの義務を怠ると、せっかく取得したライセンスの取り消しや、罰則の対象となるため、一連の流れをルーティン化するのが良いでしょう。


国土交通省のルールを正しく守り、現場で信頼されるプロへ


この記事では、最新の教則に基づき、現場で直面する規制の要点と、違反を未然に防ぐための具体的なルールを解説しました。


最後に、これからの運用で意識したいポイントとこの記事のまとめを整理します。


  • レベル3.5を実務に活かす:有資格者が保険加入と機体に取り付けられたカメラで安全確認を行うことで、補助者なしでの道路横断などが可能になる制度を活用し、業務の効率化を図りましょう。

  • 飛行前後の通報と日誌を習慣化する:許可・承認を得るだけでなく、事前の飛行計画の通報と遅滞ない日誌記録までを習慣化しましょう。


レベル3.5の新設や機体に取り付けられたカメラによる立入管理の代替など、ドローンの運用ルールは日々変化しています。


もし今、自分の業務に最新ルールをどう適用すべきか、期限内に一等・二等資格を取るべきか、と迷っているなら、ドローンプラスへご相談ください。


一等修了審査員やマスターインストラクターの資格を持つ講師や、現場を知り尽くした講師陣が技術と知識の両面から全力でサポートいたします。




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