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ドローン保険の加入を検討するべき理由~リスク管理と賠償責任

ドローンを業務で活用する際、避けて通れないのが墜落や衝突といった事故のリスクです。


機体の修理費用だけでなく、万が一第三者に危害を加えてしまった場合の損害賠償は、個人や企業にとって大きな負担となります。


しかし、補償内容や適用条件を正しく理解しないまま加入しても、いざ事故が起きたときに保険金が支払われないケースも少なくありません。


この記事では、ドローン保険の必要性から種類・選び方・注意点まで、業務で活用するうえで押さえておくべきポイントを解説します。


目次



ドローン保険が必要な理由と2026年の法規制



ドローンを飛ばす上で保険が重要なのは、実務や法令遵守においてメリットがあるからです。


特に法整備が進んだ現在では、保険の有無が活動の幅を左右することもあります。


業務利用における墜落事故や故障のリスク


業務用ドローンが関わる事故は、趣味での飛行とは比較にならないほど深刻な損害をもたらします。


空撮・点検・測量・農薬散布など、ドローンを活用する現場では、いずれも高所かつ広範囲での飛行が前提です。


そのため、飛行中にバッテリー切れや突風、電波障害などのトラブルが発生すると、機体は制御を失って墜落します。


もし落下地点に第三者や車両がいた場合、対人・対物いずれの賠償責任も操縦者(あるいは法人)が負うことになります。


また、後遺症が残る大怪我を負わせた場合や、死亡事故に発展した場合、賠償額が億単位になることもあるでしょう。


さらに、機体価格が数十万円から数百万円になる産業用ドローンでは、機体損壊の危険も付きまといます。


こうした複合的なリスクに備えるためにも、ドローン保険は重要です。


国への飛行許可・承認申請と保険加入の連動性


国土交通省の定める航空法において、ドローン保険はすべて任意加入です。


しかし、特定の飛行条件では保険加入が、許可条件となっています。


例えば、2025年10月以降に新たな飛行許可・承認申請を行う場合、総重量25kg以上の機体を使用する飛行では、第三者賠償責任保険への加入が必須とされました。


また、DIPS2.0で国土交通省へ飛行許可・承認申請を行う際、保険への加入状況は確認項目となっています。


申請時には、加入している保険の名称や補償金額を入力する欄があり、適切な保険に入っていることが、安全な運航管理体制を整えている証拠として評価されます。


また業務委託や公共案件では、賠償責任保険への加入を契約条件として求められることがあります。


2026年現在、国家資格制度の定着に伴い、法令を遵守したクリーンな運用がこれまで以上に厳格に求められているため、ドローン保険は飛行許可・承認申請と切っても切れない関係にあるのです。


国土交通省が定める規制については「【2026年最新】国土交通省が定めるドローンの規制と教則の要点」をご覧ください。


特定飛行で求められる損害賠償能力の証明


2023年12月に制度化されたレベル3.5飛行では、第三者賠償責任保険への加入が許可条件として法的に義務づけられています。


レベル3.5飛行とは、機上カメラによる立入管理を活用し、移動中の車両や列車の上空を一時的に横断できる目視外飛行のことです。


また、人口集中地区(DID)の上空や夜間、目視外などの特定飛行では、道路や鉄道の上空を飛行する性質上、万が一の事故が重大な交通障害に直結する可能性もあります。


そのため、十分な補償が可能な賠償責任保険への加入が、国家資格の保有や機上カメラの活用と並んで、許可の前提条件として定められているのです。


補償金額の下限は法定されていませんが、飛行条件や周辺リスクに応じた十分な補償額を事業者の責任で設定することが求められます。


ドローン保険の種類と補償対象となる範囲



ドローン保険は大きく、賠償責任保険と機体保険の2種類に分かれます。


それぞれの補償範囲と対象を正しく理解することが、業務に適した保険選びの出発点です。


対人・対物事故に備える賠償責任保険


賠償責任保険は、ドローンの飛行中に発生した事故によって、第三者に損害を与えた場合の賠償責任を補償します。


補償の対象は主に次の3つに分かれます。


  1. 対人賠償:機体が飛行中に人に接触し、負傷や死亡などの人身被害を引き起こした場合

  2. 対物賠償:機体が建物・車両・設備などに衝突し、財物を損壊した場合

  3. 人格権侵害:空撮映像に意図せず第三者が映り込み、肖像権やプライバシーの侵害として訴えられた場合


なお、個人向けの保険では、業務利用中の事故が補償対象外になるケースがあります。


したがって、業務でドローンを飛ばす事業者は、法人・個人事業主向けの賠償責任保険への加入が原則です。


補償の上限額は最低1億円、可能であれば無制限のプランが推奨されます。


機体や高額カメラの修理費を補う機体保険


機体保険は、動産総合保険とも呼ばれ、ドローン本体やカメラ等の搭載機器が損害を受けた場合に修理費や再調達費を補償するものです。


墜落・衝突・水没・火災・盗難など、飛行中に発生した、不測かつ突発的な事故が補償の対象となります。


また測量用のLiDARや点検用の赤外線カメラなど、高額な搭載機器を業務に使用している場合は、機体本体とは別に動産総合保険を付帯できる場合もあります。


さらに保険会社によっては、機体の捜索・回収にかかる交通費や宿泊費が保険金支払いの対象となるプランもあります。


ただし、機体保険の多くは、機体が回収できていることを保険金支払いの前提条件としているため、水没や山中での行方不明など、回収が困難な状況では保険金が支払われない場合があり、契約前に確認が必要です。


無償付帯保険の有効期限と更新時の確認ポイント


DJIをはじめとする多くのドローンメーカーは、国内正規品の新品購入者に対して、初年度無料の賠償責任保険を付帯しています。


この無償付帯保険は初年度こそ手厚い補償を受けられますが、有効期限は購入から1年間であることに注意が必要です。


2年目以降は保険期間が自動更新されないため、更新や別の保険への切り替えを自身で行う必要があるのでため、ご注意ください。


また、無償保険の補償額は対人1億円・対物5,000万円程度が一般的で、業務の規模やリスクによっては不十分なこともあります。


そのため更新時には、補償上限・補償範囲・免責金額を改めて確認し、業務実態に合ったプランへ切り替えることをおすすめします。


保険の種類をまとめると、以下のようになります。



業務内容に応じた最適な補償内容の選定基準



ドローン保険は、何でもいいから加入すればよいわけではありません。


業務の内容・機体の種類・飛行環境によって必要な補償の内容と水準が変わります。


ここでは主な業務ジャンルごとに、保険選定の視点を整理します。


空撮・点検業務での機体破損と周囲への備え


商業空撮や建物・設備の点検業務では、飛行の機会が多く、接近飛行を必要とするシーンも頻繁に発生します。


この場合、機体が建物の外壁・鉄塔・架線などに接触するリスクがあるほか、落下した際に周辺の人や車両・建物に被害を与える可能性もあります。


したがって、対人・対物双方の賠償リスクを想定し、補償上限は1億円以上とすることが基本です。


また、空撮映像の取り扱いが発生する業務では、プライバシー・肖像権の侵害も補償対象に含む、人格権侵害補償付きのプランを選ぶことが重要です。


業務ごとに機体をレンタルする場合や複数名で機体を共同使用する場合は、使用者全員が補償対象になるプランかどうかも確認してください。


測量業務における高額機材専用の特約補償


測量分野では、機体本体に加えてRTK(高精度測位)システムや、LiDAR(レーザー測量機器)など、数百万円規模の機器を搭載して飛行させることがあります。


こうした搭載機器は、機体保険の標準プランでは補償対象外となる場合があるので確認しておくとよいでしょう。


また測量機器は、ドローンへの搭載・非搭載に関わらず、動産総合保険として単体での加入が可能な保険会社もあります。


機体の墜落や接触事故で、高額機材が一緒に損壊した場合の修理費は、数百万円に達することもあるため、機材ごとの保険金額の設定と補償範囲をしっかり確認することが重要です。


農薬散布中の墜落事故や薬剤漏れへの備え


農薬散布業務では、機体墜落による対人・対物リスクに加えて、農薬の飛散による作物被害や近隣住民・生態系への影響といった特有のリスクが存在します。


また、墜落の衝撃によって散布タンクの破損や薬剤漏れが発生した場合、周辺の農地や水路への汚染被害が生じることもあります。


しかし、農薬散布作業による損害を、補償対象から除外しているプランも少なくありません。


そのため、農業用ドローンを業務に使用する場合は、農薬散布特有のリスクを網羅した農業専用プランや、農薬メーカー・機体メーカーが提供する専用保険への加入を検討することが賢明です。


また、散布機材やタンクの破損が通常の機体保険に含まれるかどうかも、事前に確認してください。


特殊な機体や海外利用における適用条件


カスタム機や自作機は、DJI等のメーカー製品向けに設計されたプランでは、加入補償対象外となる場合があります。


よって、国産産業用機や独自設計機を使用する場合は、機体の仕様に対応した法人向けの動産総合保険・賠償責任保険を個別に手配する必要があります。


また、海外での業務利用も、国内向けプランのみでは補償が適用されません。


海外ロケや現地でのインフラ点検業務を行う場合は、国外一時持ち出し特約が含まれるプランへの変更または追加加入が必要になるでしょう。


なお、加入後のプラン変更ができない保険商品も多いため、渡航前の段階で補償範囲を確認したうえで契約することを徹底してください。


保険料と補償金額のバランスによる比較



保険料を抑えつつ、十分な補償を確保したいという、相反するニーズをどのようにバランスよく整理できるでしょうか。


ここでは保険料と補償金額について解説します。


事業継続に必要な補償限度額と保険料の目安


賠償責任保険の補償上限は、1億円・5億円・10億円など保険会社によって設定が異なりますが、以下の一覧表も参考にしてください。



例えば、業務ドローンの事故では、死亡・重篤な後遺障害が発生した場合に賠償額が数億円規模に達することもあります。


また都市部での飛行・人口密集地区での点検・大型インフラ付近での作業では、より上限の高いプランが適切です。


保険料の年間相場は、賠償責任保険単体であれば数千円から数万円程度が目安となります。


補償上限が高いほど保険料も増加しますが、事故1件で事業が立ちいかなくなる可能性を考えれば、十分な補償を確保するのは、合理的な判断といえるでしょう。


自己負担額の設定と保険金が下りる条件


機体保険には、免責金額(自己負担額)が設定されている場合があります。


免責金額とは、損害が発生した際に被保険者が最初に自己負担する金額のことで、一般的に5万円・10万円程度の設定が多く見られます。


例えば、免責金額が5万円のプランでは、修理費が5万円以下の損害については保険金が支払われません。


免責金額が低いほど保険料は高くなりますが、小規模な損害まで保険でカバーできるメリットがあります。


また業務の頻度が高く軽微な事故も起きやすい環境であれば、免責金額ゼロのプランも検討できます。


保険金が支払われる条件としては、損害の状況証明・飛行ログ・事故報告書の提出が求められることが一般的です。


メーカー保証と損害保険の使い分け


ドローンメーカーの保証と損害保険は、補償対象が異なります。


メーカー保証は主に、製品の初期不良・製造上の欠陥に対応するもので、操作ミスや飛行中の墜落事故については補償対象外となることがほとんどです。


一方、損害保険の機体保険は、操作ミス・衝突・水没など飛行中の不測の事故を主な補償対象としています。


ただし、電気的・機械的事故(バッテリー内部の経年劣化など、外来の事故に直接起因しない故障)は、機体保険でも補償対象外となることが多いので注意が必要です。


メーカー保証で対応できない事故を、損害保険でカバーするという住み分けを明確にしておくことで、保険料の重複を避けながら運用できます。


保険が使えないケースと事故発生時の初動対応



保険に加入していても、すべての事故が補償されるわけではありません。


免責事由(保険金が支払われない条件)を正しく理解しておくことが、いざというときに備えるうえで不可欠です。


法令違反による支払い拒絶のリスクと対策


ドローンの保険で注意したい免責事由のひとつが、法令違反です。例えば以下のような場合です。


  • 無登録機での飛行

  • 禁止空域での飛行

  • 飛行禁止区域での許可未取得飛行

  • 飲酒操縦

  • 有効期限が切れた操縦ライセンスでの飛行


また、被保険者の故意または重大な過失による損害も支払い補償対象外です。


これは、安全義務を怠った明らかな過失が認定された場合にも適用される可能性があり、飛行前の点検記録の不備や安全マニュアルの不遵守が、重大な過失と判断されることもあります。


もう一つ注意したい免責事由として、保管中の事故があります。


ドローンの保険は、飛行中の事故を補償対象としているため、倉庫や車内での保管中に発生した機体の盗難・転倒・浸水、バッテリーの発火などのトラブルは、賠償責任保険の補償対象外です。


機体保険には、保管中の盗難や火災などを補償するプランもありますが、錆やカビなどの劣化、紛失や置き忘れ、操縦者の不注意による保管状態の不備は、多くのプランで免責となります。


保管中のリスクに備えるためには、機体保険の約款の免責条件を確認し、必要に応じて動産保険や火災保険(企業財産包括保険など)を検討することが重要です。


状況証明のための現場写真と飛行ログの活用


事故が発生した際、保険金の請求で重要なのが、事実の証明です。


保険会社は、損害の発生状況や事故の原因、そして機体の状態を総合的に確認したうえで保険金の支払い可否を判断します。


とはいえ、事故直後に行うべきことは、人命救助と安全確保です。


その後、速やかに現場の写真・動画を複数の角度から記録してください。


機体の損傷状態や接触した物件、周辺の飛行環境を詳細に記録することが、後の保険金請求をスムーズに進めるポイントです。


また飛行ログ(GPS軌跡・高度・速度・機体状態のデータ)も重要な証拠になります。


ログを消去・上書きしてしまうと、事故原因の特定が困難になり、保険会社との交渉にも支障をきたす可能性があるのでご注意ください。


保険金請求をスムーズにする日々の点検記録


事故発生時の対応は、その日だけでなく、日々の運用の積み重ねが結果を左右します。


例えば、特定飛行を行う場合は、無人航空機を飛行させる前にDIPS2.0で飛行計画を通報し、飛行記録、日常点検記録、点検整備記録を遅滞なく飛行日誌に記載する義務があります。


なお、特定飛行に該当しない場合でも、安全管理の観点から記録することが推奨されています。


保険会社が重大な過失を認定するかどうかは、こうした記録の有無が判断材料になることもあるため、重要度の高い記録です。


業務リスクに合った保険選びで安心感を高める


この記事では、ドローン保険の必要性から種類・選び方や注意点など、業務で活用するうえで押さえておきたいポイントを解説しました。


まとめると


  • 自社の業務内容・飛行環境・機体の種類・法的な飛行区分に照らして、補償範囲と補償金額が合っているかを確認する

  • レベル3.5飛行や25kg以上の大型機を使用する場合は、第三者賠償責任保険への加入が許可条件として求められる

  • 農薬散布・海外利用・高額搭載機材がある業務では、標準プランでは補償されないこともある

  • ドローン保険は、万が一の備えであると同時に、業務を依頼するクライアントへの信頼の証でもある


適切な保険体制を整えることは、安全な運用の継続と事業基盤の安定につながります。


しかし、どんなに手厚い保険に加入していても、操縦ライセンスが失効していれば、万が一の事故の際に補償が受けられない可能性があります。


せっかくの備えを無駄にしないために、今すぐご自身の免許の有効期限を確認してみましょう。


もし有効期限が近づいているなら、ドローンプラスへご相談ください。


免許更新には、期限管理やDIPS2.0での申請などの事務作業が伴いますが、ドローンプラスでは、更新時期に合わせた講習日程の提供と、申請のサポートを行っています。


事前準備のガイダンスはもちろん、講習を受講して終わりではなく、その後のオンライン申請で必要となる修了証明書の発行を迅速に行い、DIPS2.0での更新申請や手数料納付の手順についてもガイダンスを提供しています。


確実かつスムーズに免許を維持し、安心して業務に集中したいと願うすべての操縦者を、ドローンプラスは全力でバックアップします。




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