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ドローン測量とは?自社導入までの流れやメリットと活用シーンを解説

「測量をもっと早く、安全に終わらせたい」「人手不足で現場が回らない」


これは 建設・土木業界が直面している課題ですが、これらを解決してくれるのが、ドローン測量(UAV測量)です。


国土交通省が進める「i-Construction 2.0」の本格運用により、ドローンによる3次元測量は大規模工事だけでなく、中小規模の現場でも標準となりつつあります。


そのため、ドローン測量の導入を検討する会社が増えていますが、写真測量とレーザー測量の違いや位置情報の補正の仕組みを理解すること、そして適切な解析を行う技術などが必要です。


この記事では、ドローン測量の基礎知識から最新技術、さらには導入コストや導入ステップまでを解説します。



ドローン測量の基礎~3次元データが現場を変える理由



ドローン測量は、従来のようにトータルステーションで一点ずつ計測するのではなく、地形を丸ごとデジタル化する測量です。


これにより、現場の状況を3次元データにできるので、出来形管理や土量管理、施工計画や災害対応などの意思決定の迅速化に役立ちます。


写真測量とレーザー測量(LiDAR)の仕組みと違い


ドローン測量は大きく分けて、写真測量とレーザー測量の2つの手法があります。まずは両者の違いをご覧ください。



写真測量は、オーバーラップ(重なり)を持たせて撮影した数千枚の高解像度写真から、共通の点を抽出して3Dモデルを生成する手法です。


色彩情報が豊富なため、現況の視覚的な把握に優れ、比較的安価な機体で始められるのが魅力です。


一方、近年急速に普及しているのがレーザー測量です。


機体から発射されたレーザーが、地表に反射して戻るまでの時間を計測する手法で、写真測量の弱点であった植生を透過できるのが特徴です。


森林地帯でも、木々の隙間を抜けたレーザーが地表面を捉えるため、伐採前から正確な地形を把握できます。


また、写真測量のように複雑な解析を必要とせず、短時間で高密度な点群データが得られるため、工期短縮の要となっています。


こうした特徴を踏まえて最近では、予算や用途、植生の有無に合わせて2つの手法を使い分ける、あるいは両方を組み合わせる運用が取られています。


さらに、現在ではLiDARを用いたリアルタイムオルソ画像の生成も可能です。


従来の地上測量と比較したスピード感とデータの密度


従来のトータルステーションやGNSSを用いた地上測量は、高い精度がある一方で、広大な敷地や急峻な地形では、多くの時間と人手が必要でした。


これに対しドローン測量は、GCP(Ground Control Point)を設置し、数十分から数時間のフライトで、数十ヘクタールの範囲を網羅でき、作業効率が何十倍にもなります。


またデータの密度も大きく違います。


地上測量は数メートルから数十メートルおきに計測しますが、ドローンは1平方メートルあたり数百点から数千点の点群を取得します。


この高密度なデータにより、地形の微細な起伏や、目視では気づきにくい地表面の歪みを正確に再現できるのです。


建設現場のDX化でドローンが必須となる背景


2026年の建設業界は「i-Construction 2.0」のフェーズに突入しています。


これは、大規模工事に限られていたICT施工や3Dデータの活用を、様々な公共工事や小規模な維持管理にまで拡大・浸透させる動きです。


そのためドローン測量は、現場における標準的なインフラとして定着しつつあります。


国土交通省の作業規程も、ドローン活用を前提とした改訂が進み、点群データを用いた出来形管理が標準化されています。


また、2026年はBIM/CIM(建築情報のモデル化)が加速しており、設計図面とドローンで取得したデータを3D空間上で重ね合わせ、リアルタイムで進捗を管理するようにもなっています。


導入前に知っておきたいドローン測量のメリットと活用シーン



ドローン測量の導入により、現況把握の頻度を上げたり、危険箇所への立ち入りを減らしたりできます。


ここでは、ドローン測量のメリットと現場での活用シーンを具体的に紹介します。


数十ヘクタールの現況調査も数時間で完了する効率の良さ


広大なゴルフ場開発や大規模な宅地造成、あるいは太陽光発電所の建設予定地など、数十ヘクタールに及ぶ現場の現況調査は、従来の手法では大仕事でした。


しかしドローンを導入すれば、事前の飛行計画に沿って自動航行させるだけで、全域のデータ取得が数時間で完了します。


このスピード感と効率の良さが、見積もり精度の向上や着工までのリードタイムに直結しています。


また、定期的にフライトを行うことで、週単位・月単位の進捗をデジタルアーカイブとして残せるため、工程管理の透明性も向上します。


急傾斜地や災害現場でも安全に高精度な計測が可能


崩落の危険がある法面や足場の不安定な急傾斜地、または土砂災害直後の二次災害が懸念される現場では、安全面での危険が付きまといます。


しかしドローン測量では、作業員の安全を確保しながら、崩土の量や亀裂の位置、そして流路の変化などの状況把握に必要な情報を短時間で取得できます。


土量計算からBIMへの連携で3Dデータを利活用する


ドローンで取得した点群データは、専用の解析ソフトを使用することで大きな効果を発揮します。


特に土量計算では、現況の3Dモデルと設計データを重ねるだけで、切土・盛土のボリュームを自動算出できます。


その後、計算結果をCSV等のデータで積算システムへ取り込めば、手入力によるミスや計算のタイムラグを減らすことに繋がります。


また点群は、BIM/CIMや3D設計データと重ね合わせて、干渉確認や進捗比較に使うこともできるので、データと現場の状況が食い違うといった事態を未然に防げます。


精度を左右する注意点と3つの対策



ドローン測量は便利なツールですが、公共測量で求められる精度を確保し、法的なトラブルを避けるためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。ここではそのポイントを解説します。


標定点(GCP)の設置ミスや環境による誤差の防ぎ方


ドローンは自分の位置をGPSで把握していますが、実際の位置と数メートルのズレが生じることがあります。


このズレを補正し、正確な地図にするために必要なのが、GCP(Ground Control Point)を設置し、標定点と呼ばれる地面の目印を効率的に設置することです。


衛星測位システム(GNSS)を利用してリアルタイムに高精度な測位を行う、最新のRTKが搭載されているドローンの中には、自分の位置をリアルタイムで修正しながら飛び、目印の数を減らせる高性能なモデルもあります。


しかし、高い木々に囲まれた現場や、高低差が激しい複雑な地形で高い精度を出すには、適切な位置に目印を配置する事が重要です。


そのため、機体の性能だけに頼らず、現場の環境に合わせて正しく目印を配置することが、誤差のない測量につながります。


天候や風の影響を考慮した予備日の考え方


ドローン測量は、天候の影響を強く受ける作業です。


なかでも風の影響は大きく、機体の安定性を損なうだけでなく、写真のブレやレーザーの照射密度にも悪影響を及ぼしかねません。


また雨天時のフライトは安全上の問題だけでなく、路面反射や水たまりで特徴点が不安定になり、点群にノイズが出やすくなります。


この他にも、極端に濃い影ができる直射日光下や、夕方の薄暗い時間帯は、解析ソフトが特徴点を抽出できず、エラーの原因となります。


そのため、工程に測量予備日を組み込むことで、悪天候時でも柔軟な対応が可能です。


航路登録制度や航空法改正に合わせた運用


例えば航空法改正に基づき、DID(人口集中地区)での飛行、目視外飛行、第三者との距離が保てない現場での飛行は、特定飛行(カテゴリーII・III)に該当し、国土交通省への許可・承認申請が不可欠です。


また、機体登録やリモートIDの設定、そして飛行計画の事前登録(DIPS 2.0)、飛行日誌の携行と記録は義務として定着しています。


さらに、2026年度から開始予定のドローン航路登録制度は、今後の測量実務に影響を与えるものとなるでしょう。


これは、河川や送電線上空などをドローン航路として登録し、運航管理を行う仕組みです。

最新のドローンの法規制については「【2026年最新】国土交通省が定めるドローンの規制と教則の要点」で詳しく解説しています。


計画から解析・成果物作成までの流れ



ドローン測量は、機体を飛ばす前の計画と、飛行後のデータ解析で成果物の品質が決まります。ここでは現場で失敗しないための、具体的な流れをご紹介します。


現地調査と最適な飛行ルート・高度を設計する


始めにやるべきことは、現地の地図や衛星写真で電線や樹木、近隣の建物などの障害物を把握することです。


そして過去に飛行させたルートであっても、必ず現地での最終確認は行ってください。(自生している樹木などの成長による危険回避のため)


さらにはGNSS受信状況や第三者の動線、立入管理区域の有無などの確認も忘れずに行いましょう。


次に、必要な地上画素寸法(GSD)と精度要件から飛行高度を決め、前後・左右のオーバーラップを設定します。


高度を下げれば解像度は上がりますが、1枚に映る範囲が狭まり、撮影枚数と飛行時間が増えますし、高くしすぎると必要な精度が得られないので注意が必要です。


また周囲の環境を考慮し、速度にも注意します。住宅街や道路や線路などに近いところでは、第三者に不安感を与えないためにも、速度を下げるなどの配慮が必要です。


この他にも、現場の起伏に合わせ、地形に追従して高度を一定に保つ、地形追従飛行の設定を使いこなすことも、歪みのないデータを取得するコツです。


点群生成からオルソ画像・3Dモデル化までの手順


撮影後は、SfMと呼ばれる解析ソフトを用います。


手順としては、①アライメント、②高密度点群の生成、③メッシュ(面)作成、④テクスチャ(色)貼り付けの4段階です。


解析が進むと、撮影した現場がPC上で3Dモデルとして再現され、真上から見た歪みのないオルソ画像も同時に生成されます。


クラウド解析サービスを利用するのもよいですが、標定点との誤差が許容範囲内に収まっているかをチェックし、必要に応じて手動で補正を行う精度管理は、プロとしての腕の見せ所です。


作業規程に則った適切なデータ管理と品質確保


公共工事でのドローン測量には、国土地理院が定める作業規程の準則に基づくルールがあります。


綺麗な3Dモデルを作るだけでなく、計算過程を記した精度管理表の作成や、データの品質を証明するための各種帳票の整備も必要です。


成果物を納品して終わりではなく、作業ログやパラメータを適切にアーカイブし、将来の維持管理や再測量時に比較可能な形で管理しておくことで、発注者からの信頼を得ることができます。


自社導入か外注か?費用相場と検討したい基準



ドローンを導入するにあたり、大きな壁となるのがコストです。


自社で機体を揃えるべきか、外注すべきかの判断は難しいため、ここでは検討する際に参考となる基準を解説します。


機材・ソフトの初期投資と操縦スキルの維持にかかるコスト


ドローン測量を自社で完結させる場合、初期費用は150万円〜500万円が相場となり、内訳は以下の通りです。



この他にも、法改正に合わせた運用マニュアルの更新や定期的な点検、解析スキルを維持することにもコストが必要です。


高度な解析技術と専門会社に任せる安心感


手軽にドローン測量の恩恵を受けたいなら、最新のLiDAR機材や高度な解析技術を利用できる専門会社(測量士の在籍の有無を含む)への外注がベストです。


特に、公共測量の成果品として提出する場合や、災害現場などの高い安全管理が求められるケースでは、専門会社に一任することで安心感が得られます。


費用相場は現場の規模や精度要件によりますが、1haあたり10万〜30万円程度が一般的です。


そのため月に数回しか飛ばさない場合、操作技術や解析ノウハウが定着せず、いざという時に精度が出せない、あるいは事故を起こす可能性もあるので、外注を検討した方がよいでしょう。


一方で、年間を通じて一定以上の稼働(目安として月2〜3現場以上)が見込めるなら、自社導入でも運営できる可能性が上がります。以下に自社導入と外注の判断基準もまとめました。



助成金を活用してドローン測量の導入をスムーズに


中小企業がドローン測量を導入する際、人材育成としては厚生労働省の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)を活用できます。


これは、測量業務のデジタル化を目的とした従業員教育に対し、講習費用の最大75%が助成される制度です。


1人あたり数十万円かかる国家資格取得や実務講習のコストを、実質数万円にまで抑えることが可能です。


また、機体購入や解析ソフトの導入には、経済産業省のIT導入補助金や小規模事業者持続化補助金の活用も検討できます。


測量の内製化に向けた3ステップ


初めてドローン測量に取り組む企業の場合、高額な機体を買って使いこなせなかったら、という不安は大きいものです。


そこで推奨されるのが、以下のステップで徐々に内製化を目指すことです。


  1. スクールで基礎と目を養う:国家資格の取得と並行して、実務講習で何ができるか・何が難しいか、を理解します。

  2. 難易度の高い現場はプロと共同で行う:自社で対応しきれない複雑な現場や解析は、プロの請負業者に依頼。現場に立ち会い、プロの仕事ぶりを間近で見ることで、実務のコツを吸収します。

  3. 内製化へ移行し、DXを加速させる:経験を積んだ後に機体を導入することで、スムーズに自律運営へと移行できます。


ドローン測量で現場をスマートにするためのご提案


ドローン測量の導入は、建設・土木業界で生き残るための重要な戦略となります。


しかし本記事で解説した通り、ドローン測量を成功させるには、現場の環境を見極める判断力や不測の事態に対応できる操縦技術、さらには成果物を作り上げる解析スキルが必要です。


ドローンプラスでは、免許取得のための講習はもちろん、貴社が現場の最前線で即戦力として活躍するために、以下のようなトータルサポートを提供しています。


  • 現場目線の実務講習:公共測量にも対応できる精度管理や、最新のLiDAR機を用いた解析フローなど、経験豊富なインストラクターが、現場で通じる技術を直接指導します。

  • 導入・運用のサポート:貴社の業務に最適な機体選定のアドバイスから、導入コストを抑えるための助成金申請に必要な証明書類の発行まで、DX化のハードルを共に乗り越えます。

  • プロによる現場請負: 大規模な現場をプロに任せたい、自社で対応しきれない特殊な計測がある、といった場合もご安心ください。グループ内の測量士が、高度な計測・解析業務を直接お引き受けすることも可能です。


自社でどこまで内製化すべきか」「最短で成果を出す導入プランはどれか」とお悩みの方は、ぜひ一度ドローンプラスへご相談ください。


現場を知り尽くした講師陣が、パートナーとして全力でサポートいたします。




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