ドローン撮影の許可・承認申請と撮り方のポイント
- drone-plus
- 3月16日
- 読了時間: 14分
更新日:2 時間前
ドローン撮影を始めたいと考えたとき、多くの方が「許可はどんなときに必要なのか」「DIPS2.0の申請は難しくないか」といった疑問を抱きます。
申請の手間だけでなく、警察や施設の管理者への連絡が必要になる場面もあり、知らないまま撮影に臨むと、当日になってから慌てることになりかねません。
この記事では、許可・承認申請の要点と現場でのトラブル対策を整理したうえで、映像の完成度を高める撮影のポイントもあわせて解説します。
目次
ドローン撮影に必要な許可・承認申請の基本

ドローン撮影で許可・承認申請が必要になるかは、飛行させる機体、飛行させる場所、飛行方法によって変わります。
ここでは、判断の基準と、機体登録やレベル3.5といった押さえておきたい制度の要点を解説します。
許可・承認申請が必要になる基準
ここでいう許可・承認とは、国土交通大臣からの飛行許可・承認を指します。
航空法では、飛行させる機体、飛行させる場所、飛行方法によってルールが定められており、許可・承認が必要な場合と不要な場合があります。
判断の基準となるのは、特定飛行に該当するかという点です。
具体的には、以下の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
日中、目視内、人口集中地区以外で、人や建物から30m以上の距離を保って飛ばす場合⇒許可・承認:不要(カテゴリーⅠ飛行)
空港周辺、高度150m以上の空域、人口集中地区などの特定空域で飛ばす場合 ⇒許可:必要(特定飛行)
夜間、目視外、第三者や第三者の建物・車との距離が30m未満などで飛ばす場合 ⇒承認:必要(特定飛行)
自分が撮影したい場所や時間帯、飛行方法がどこに当てはまるかを、撮影計画の初期段階で確認しておくと、直前になって慌てずに済むでしょう。
機体登録の義務とレベル3.5による効率化
重量が100g以上の機体は、国土交通省への機体登録が義務付けられています。
DIPS2.0(国土交通省の飛行申請システム)で手続きを行い、発行された登録記号を機体に明記しなければなりません。
中古機を手に入れた場合や登録の有効期限(3年間)が切れている場合は、未登録機としての飛行となり、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象となるため、登録状況の確認が欠かせません。
あわせて、機体情報を電波で発信するリモートIDの搭載も、原則として求められています。
また、レベル3.5と呼ばれる区分では、有資格者が機体に取り付けられたカメラで安全を確認することで、従来必要だった補助者による立入管理措置を省略できる場合があり、山間部や物流現場などでの運用がしやすくなっています。
機体登録やカテゴリー区分、罰則の詳細については、「【2026年最新】国土交通省が定めるドローンの規制と教則の要点」で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
撮影許可の申請先と手続きの窓口

ドローン撮影の飛行許可・承認は、国土交通省だけでなく、自治体や警察との調整も必須です。
ここでは、DIPS2.0での申請から、公園・道路といった場所ごとの窓口、そして災害時の特例まで、申請に関するポイントを解説します。
DIPS2.0の申請と飛行計画の通報
国土交通省のオンライン申請システム「DIPS2.0」では、撮影スタイルに合わせて2つの申請を使い分けられます。
包括申請:包括許可・承認を得ることで、人口集中地区や夜間、目視外などの基本的な撮影を、場所は日本全国、期間は1年間とすることが可能になります。ただし、趣味目的では取得できません。
個別申請:特定の場所・日時を指定してフライトごとに取得する許可・承認です。業務以外で飛行許可・承認申請を行う際に用います。ただし、空港周辺・150m以上の高高度・お祭りなどのイベント上空での撮影には、包括許可・承認を保有していたとしても、別途個別申請が必要です。
なお、包括申請、個別申請どちらにおいても、特定飛行を行う場合は、事前に飛行計画をDIPS2.0で通報する義務もあります。
他の無人航空機との衝突を防ぐための仕組みで、特定飛行に該当しない場合でも、通報しておくことが推奨されています。
自治体・管理者への許可申請
国土交通省の許可・承認があっても、土地管理者のルールが優先されるケースは多々あります。
特に以下の場所では、独自の条例やローカルルールの確認を行いましょう。
道路:路上からの離着陸や道路を横断する撮影では、管轄警察署への「道路使用許可」が必要です。
公園:公園は自治体の条例により飛行が制限され、「行為許可」の提出が必要となる場合があります。
河川:管轄する河川事務所などへの確認が必要で、「一時使用届」が求められることがあります。
問い合わせ時は、撮影目的や安全対策、国土交通省の許可・承認、保険加入状況をセットで伝えると調整がスムーズに進みます。
重要施設周辺での警察などへの通報義務
撮影場所によっては、航空局だけでなく警察への連絡が必要になる場合もあります。
法的な義務として定められているのが、小型無人機等飛行禁止法に基づく手続きです。
令和8年7月14日施行の法改正により、皇居、国会議事堂、自衛隊施設、原子力発電所、空港といった重要施設の周辺の飛行禁止エリアは、これまでのおおむね300mから、おおむね1,000mへと拡大されました。
対象施設の種類も広がっており、国際会議の準備・運営のための会場施設等も新たに含まれています。
この禁止エリア内で撮影を行う場合は、対象施設の管理者などから事前に同意を得たうえで、飛行の48時間前までに管轄の警察署へ通報書を提出しなければなりません。(災害など緊急やむを得ない場合は、飛行開始の直前までで足ります)
その際、管理者の同意を証明する書面の写しもあわせて提出する必要があります。
また、警察とは別に事前通報が必要になる以下のケースがあります。
撮影場所が海域を含む禁止エリアにあたる場合:管区海上保安本部長へ
防衛関係施設の周辺にあたる場合:施設管理者を通じて防衛省へ
空港周辺にあたる場合:施設管理者を通じて国土交通省へ
これはDIPS2.0の許可・承認とは別の規制であり、施設の敷地内(レッドゾーン)での違反は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、周辺エリア(イエローゾーン)での無許可飛行についても、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります。
以前は周辺エリアでの飛行に対する直接の罰則はありませんでしたが、改正後は警告や命令を経ずに処罰の対象となるため、撮影エリアが重要施設の近くにないか、事前の確認が欠かせません。
撮影当日のトラブルを防ぐポイント

許可・承認が取れていても、当日の備えが不十分では、安心して撮影に臨むことはできません。
ここでは、撮影当日のトラブルを防ぐポイントを解説します。
警察への事前連絡と周辺住民への周知・配慮
都市部や人通りの多い場所での撮影は、事前に管轄警察署の警備課や生活安全課に一報を入れておきましょう。
この連絡は義務ではありませんが、住民からの通報があった際に警察側が状況を把握していれば、現場での確認作業がスムーズになります。
操縦者と警察官、双方の負担を軽減し、現場での混乱を最小限に抑えるために大切な連絡です。
また、周辺住民や通行人などの第三者への配慮も重要です。
ドローンの音やカメラの向きに対して不安を抱く方は少なくないため「撮影目的、飛行時間、立入制限の範囲、責任者連絡先」などを、補助者が丁寧に案内できる体制を整えと、周辺への不安を和らげましょう。
当日の機体点検と気象状況の確認
撮影現場に到着して最初に行うことは、機体の飛行前点検と周囲への配慮、気象状況の確認です。
プロペラやフレームの損傷やゆがみ、バッテリーの充電量や適正電圧、セルバランス、リモートID設定やジンバル動作などの、飛行マニュアルで定められている飛行前点検を遂行してください。
撮影当日の天候については、事前に気象予報などで確認しておくことはもちろんですが、現場での急な天候の変化や突風などに対しても、常に情報を更新することが大切です。
プライバシー保護と電波トラブルへの対応
ドローンは高所から広範囲を撮影するため、意図せずに他人の顔や車のナンバープレート、個人の住宅内が映る可能性があります。
こうしたものへの配慮が欠けると、肖像権やプライバシーの侵害などの法的なトラブル、あるいはSNSでの炎上に繋がりかねません。
そのため、撮影時にはカメラの角度を工夫して民家を避けるといった、現場での回避を行ってください。
それでも映り込んでしまった場合は、編集時にぼかしやトリミングすることで、プライバシー保護を徹底できます。
また、飛行空域の電波状況は常に変化しており、ドローンの制御に異常をきたす場合があります。
ここで重要なのが、危険な状況若しくは危険な状況になりそうな事象を察知したら、即座に飛行を中断して着陸させる判断力です。
万が一の事態に備え、RTH(自動帰還)の高度設定やフェールセーフの動作、手動での復帰手順を事前に確認し、補助者と中止基準を共有しておくことで、安全な撮影が可能になります。
飛行日誌の記録と業務賠償責任保険
許可・承認を得て飛ばした後にも、法的な義務は続きます。
撮影終了後は、特定飛行を行った場合、飛行記録や日常点検記録、点検整備記録を遅滞なく飛行日誌に記載する義務があります。
特定飛行ではなかった場合でも、安全管理の観点から飛行日誌の記録が推奨されています。
これらの義務を怠ると、ライセンスの取り消しや罰則の対象となるため注意してください。
また、万が一に備えて、業務賠償責任保険に加入することも重要です。
対人・対物の補償上限だけでなく、プライバシー侵害に関する法的費用をカバーする特約や、示談交渉サービスの有無も確認しましょう。
加えて、保険証券や加入証明書を常に現場へ携行しておくことで、万が一への迅速な対応が可能となります。
ドローンの保険について詳しくは「ドローン保険の加入を検討するべき理由~リスク管理と賠償責任」で解説しています。
魅力的な映像に仕上げる撮影テクニック

許可を取り、安全に飛ばせるようになった後は、撮影する番です。
ここでは、構図・カメラワーク・光の使い方という3つの視点から、撮影のポイントを解説します。
構図の基本と印象に残る画角
ドローン撮影が地上のカメラと異なるのは、真上や斜め上からの視点を自在に選べる点なので、構図の基本を押さえておくと、同じ被写体でも印象が大きく変わります。
具体的には、以下のような構図パターンがよく使われます。以下にまとめましたのでご覧ください。
その上で、被写体の形や周囲の環境に合わせて構図を選ぶことで、単調な映像から抜け出せるでしょう。
動きで魅せるカメラワーク
ドローンならではの魅力は、静止画では表現できない滑らかな動きにあります。
代表的な動かし方は、上昇しながら被写体を見下ろすように映すロケットショット、被写体と並走するサイドトラッキング、被写体へ向かって近づくプッシュインなどです。
例えば、建物の全体像を伝えたい場合はロケットショットで規模感を強調し、人や乗り物の動きを見せたい場合はサイドトラッキングで臨場感を出すといった使い分けが考えられます。
いずれの動きも、スティックを急に倒さず加減速を滑らかにすることを意識すると、映像がガクつかず、仕上がりの完成度が上がるでしょう。
光と時間帯を活かした撮影計画
同じ場所・同じ構図でも、光の状態によって映像の印象は大きく変わります。
順光では被写体の色や質感がはっきりと写り、逆光では輪郭が強調されたシルエット表現がしやすくなります。
特に、日の出や日没の前後はマジックアワーと呼ばれ、空の色が刻々と変化するため、印象に残る映像を撮りやすい時間帯です。
ただし、朝夕は太陽高度が低く機体の影が画角に入り込みやすいため、事前に太陽の位置を確認したうえで飛行ルートを組み立てておくことが大切です。
撮影の学び方と業者選びのポイント

ドローン撮影は、飛行技術に加えて、法令・現場安全・対人コミュニケーションから、編集・納品までが一連の流れとなります。
そのため、安全に運用する方法だけでなく、撮影後の動画編集スキルも重要です。
ここでは、クリエイティブな視点での学び方と、業者へ依頼する際の確認事項を解説します。
実務に強いスクール選び
ドローン撮影の技術を体系的に身につけるには、実務での運用実績を持つ講師から学べるスクールを選ぶ事が重要です。
数多くの空撮・点検・災害調査などの現場を経験してきた講師と、教習所内だけでしか操縦しない講師とでは、指導の深みが異なります。
また、資格取得だけでなく、専門分野の特化講習や、実際の現場同行といった実務サポートの有無によっても、スクールで学べる内容に差が出ます。
実務に強いスクールの選び方については、「大阪でドローンスクールを選ぶ方法と費用相場を解説」で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
編集スキルと実績の見極め方
ドローンは飛ばすものではなく、撮りたいものを撮るための撮影ツールです。
そのため、業者へ撮影を依頼する際は、編集スキルから逆算した撮影ができるかを見抜くことが大切です。
また、依頼内容を正しく理解してイメージ通りに形にしてくれるかどうかが大切です。
効果的な編集ができる操縦者は、ただカメラを回すのではなく、被写体を効果的に映す最適な撮影速度や解像度やフレームレートなどの設定、編集時のカットのつなぎ、光の入り方、映像のテンポをシミュレーションしながら機体を動かします。
業者を選ぶ際は、過去の制作実績(ポートフォリオ)などを見て、物語やメッセージを感じる編集済みの映像を確認することで、編集スキルを判断できます。
安全体制と特殊技術で業者を選ぶ
信頼できる業者は、万が一の墜落に備えて、対人・対物賠償責任保険への加入はもちろん、現場の電波状況や気象条件を見極め、安全に対応することができます。
また立入管理措置の方法、補助者の人数や配置場所、風速基準、緊急着陸地点、近隣周知などを、見積もり段階で言語化できるかも重要です。
さらに、FPV機によるアクロバティックな撮影や、サーマルカメラによる赤外線点検など、独自の特殊技術を必要に応じて取り入れてもらえるかどうかも、業者を見極める基準となります。
赤外線カメラの仕組みについては、「ドローンの赤外線カメラの仕組みと建物点検への活かし方」で詳しく解説しています。
撮影費用の内訳と料金
業者に撮影を依頼する際は、見積もり書の詳細を確認することが大切です。
依頼した内容に対して過分(あるいは過少)な機材が組まれていないか、必要以上の技術料が加算されていないかなど、見積もりの内容が依頼と対応しているかを確認します。
ドローン撮影の費用は、飛行時間そのものだけでなく、複数の要素の積み重ねで決まります。以下にまとめましたのでご覧ください。
同じ30分の飛行でも、郊外での撮影と、都市部で立入管理が必要な撮影とでは、費用が変わることも理解しておくとよいでしょう。
許可申請と映像づくりの両輪で信頼されるドローン撮影へ
ドローンでの撮影は、ルールを守ることで、自由な表現が可能になります。
この記事では、許可・承認申請の手続きや現場でのトラブル対策に加え、構図やカメラワークといった映像づくりのポイント、業者に依頼する際の確認事項までを整理しました。
まとめると、次の3点が押さえておきたい要点です。
許可・承認の基準を理解する:特定飛行に該当するかを判断し、機体登録やDIPS2.0での申請、飛行計画の通報を漏れなく行うことが土台になります。
現場と映像づくり双方に備える:プライバシーや電波トラブルへの対策と、構図・カメラワークの工夫は、どちらも撮影の完成度を左右します。
目的に応じて学ぶか任せるかを選ぶ:自分で技術を磨くか業者に依頼するか、いずれの場合も実績と安全体制を確認する視点が欠かせません。
ドローン撮影に興味がある方、またはドローン撮影を安心して任せられる業者をお探しの方は、ドローンプラスへご相談ください。
ドローンプラスは大阪市を拠点に、商業撮影や構造物点検など現場の最前線で培ったスキルを持つ講師陣が指導にあたっています。
一人ひとりの操縦の癖を見抜き、丁寧に修正する個別指導を行っているため、初めての方でも実践的な撮影技術を無理なく身につけられるでしょう。
600名を超える卒業生を送り出してきた実績と、FC校では受けにくい現場主義の指導体制で、関西エリアでのドローン撮影をこれからも支えてまいります。
